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徒然とつらつらと、無為かつ怠惰な生活を書き綴ります。
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妄想カブトの続きの計画

 一応考えていた以上、書き出してみるか。

・加賀美、全人類ネイティブ化放送の直前にTV局の壁をエクステンダーで
 叩き壊して例の地球儀に吶喊。エクステンダーの自爆により計画は阻止。

・しかし根岸は逃走、更に背後からの三島=グリラスワームの一撃で
 ガタックは致命傷を負い、そのまま死亡。
 そして響く電子音……『HYPER CLOCK UP』

・加賀美が目覚めると自らは無傷、そして目の前にはハイパーカブトの背。
 更にグリラスワームと対峙する、ハイパークロックアップで一時的に
 蘇った刀子の姿があった。(超御都合主義)

・最終的には天道から借り受けたハイパーゼクターで加賀美パワーアップ。
 「いい男にはチャンスをやるわ。もっと典雅におなりなさい」みたいな。
 まんまふみこさん過ぎてアレだが。
 刀子と力を合わせて二人分のタキオン粒子でライダースラッシュ。
 建物の天井ごと切り刻まれるグリラスワーム。そして爆発。

・ちなみに逃げた根岸はと言えば、絶望しきった矢車姉貴にソバット喰らって
 ダウンしたうえに踏み付け→直にライダージャンプ&キックで昇天。
 ちなみに屋内での出来事だったので衝撃で天井崩落。結果的に姉貴、
 影山さんの後を追うことに。心中気味に。

・一方、白い意識の中で加賀美と刀子は最期の会話を。
 『うたわれるもの』の最終回的な展開で。
 劇場版の天道みたくタイムパラドックスで消えていく刀子。あまり悲壮感はなく、
 ただ苦笑と共にそれを見送ろうとする加賀美。
 「わたしは加賀美に愛されることでも頂点に立つ女だよ」とかそれっぽい
 恥ずかしい台詞言われて雰囲気台無しの赤面。


 ……さすがにここまで手抜きのダイジェストはどうかと思ったので、
ここから先は小説としてお楽しみ下さいませ。即興に近いんですけどね。









 柔らかな光に、刀子の輪郭が溶けていく。夢の終わりは近いらしかった。

「もう行くのか?」

 微笑みながらの問いに、刀子はやはり微笑みを返しながら答える。

「ん、先に行ってるよ。……姉さんと一緒に、ね。新のこと紹介したいし、
 ちょっとしたパーティーの準備でもしながらさ」
「そっか。……じゃ、何か手土産でも持っていかないとな」

 加賀美は肩をすくめながら、

「持っていくのは何がいい?」
「土産話を沢山」

 その答えには虚を突かれた。
 思わず眼を丸くしながら刀子を見やれば、彼女はその新の顔を見てか、
声を出して笑った。それにつられて、加賀美も思わず笑い声をこぼす。
 今生の別れなのに笑っていられるのは――死んだところで、お互いがどうこうなる
などとは思えないから。

「はは――それは参ったな」

 彼女が土産話を所望だと言うのなら。

「長生きしないとな。それこそ、死ぬほどだ」

 刀子の笑みが強くなる。そして、周りの光もまた。
 視界にはもう何も見えない。それでも脳裏に浮かぶのは、人懐っこい笑みを
浮かべた神代刀子の姿だ。
 どうやら、一生消えてはくれなさそうだった。

 ――待ってるよ。
(ああ、ゆっくり待っててくれ)

 そして――



 気が付けば――
 視界には一面の青空があった。TV局を三階層分吹き飛ばした結果覗いた
青空。そこで初めて加賀美は、自分が瓦礫の中に倒れていることに気付く。
 痛む身体を無理矢理起き上がらせて周りを見渡せば、ライダースティングが
何もかもを両断した形跡が壁面を剔る形で残されていた。足元には過負荷に
耐えられず黒煙を立ち上らせるサソードヤイバーが転がっている。
 そして、人の気配がした。

「いい空ね?」
「……全くだな」

 とんでもない大暴れをした直後とは思えないほどいつもどおりの天道の声に、
加賀美は溜息混じりに答えた。振り返ってみれば、実際に何のダメージも
感じさせない立ち姿が視界に入る。こちらは腹部に大穴を開けられた痛みが
記憶に張り付いているというのに、何とも不公平だと加賀美は思う。

「立てる?」

 差し出される手。
 加賀美はしばし迷ってから、

「……いや、一人で立てるさ」

 流石に疲労の色が濃いが、それに鞭打つようにして無理矢理に加賀美は立つ。
 寝そべるのも悪いことではないが、それは刀子の望みではないのだろうから。
 もちろん、天道の望みでもなければ――加賀美自身の望むところでもない。

「自力で歩くさ、どこへでもな」

 天道は目を閉じて微笑みながら手を引っ込めた。





 そして一年の月日が経った。



「……本当に行かれるのですか?」
「はい、……あいつの分も世界を見て回らないと」

 それが加賀美の出した答えだった。
 神代刀子の墓前、加賀美新と刀子の侍女は会話を交わす。

「あいつの最期の望みがこっちでの土産話だったんですよ……ほら、あいつ
 世間知らずだったでしょう? 持てるだけの土産話をと思って」

 墓に手を合わせながら、加賀美は言った。
 彼は荷物こそほとんど持ってはいなかったが、それが旅装であることを
侍女は悟っていた。かなりの長期に渡って旅をする場合、荷物というのは
大抵邪魔になるものだ。

「世界も概ね平和になったし、それ教えてやらないと。……あいつのことですから
 夢枕で文句言うかもしれないし。安心させてやりたいですから」
「……そうですか」

 実際、加賀美の持っている荷物はほとんどない。
 ちょっとした着替えに食料、大体のものは出先で現地調達すればいい。
路銀は心許ないが、それこそ現地調達すれば済むだけの話だ。
 そして――

「うおっ?」

 唐突に地面が盛り上がった。
 電子音と共に地を割って出てきたのは、

「……サソードゼクター……」

 加賀美の漏らした呟きに答えるようにして、サソードゼクターは加賀美の
バックパックにぽん、と飛び乗った。連れて行けと言わんばかりに。
 おいおい、と加賀美がぼやいた直後、今度は空の彼方から蒼い光が飛来する。

「……仕方ないな、ったく」

 ガタックゼクターまでもが加賀美の周囲を飛び回るに至り、彼は観念して
肩を突き出した。ガタックゼクターがそこに軟着陸する。
 旅の道連れとしては悪くない、と加賀美は思う。

「じゃ、そろそろ行きます。……今まで、ありがとうございました」

 加賀美は侍女に一礼する。

「……お気をつけて」

 


 一人旅から一人と二機の旅に昇格(?)して、加賀美の足取りは軽い。
 まずは船でアジアの方へ。そこからは適当に徒歩だ。大してプランなどは
立てていない行き当たりばったりな世界一周だが、そのぐらいが丁度いい。
 一路、港へ向かう道を行く。と、

「結構なお供を連れてるみたいで何よりね」
「……天道」

 のんびりと、片手に豆腐の入ったボウルを抱えながらこちらへ歩いてくる
彼女の姿があった。
 おそらくはこれも偶然だ。故意の出会いではないだろう。
 だからきっと、彼女とはこれからも縁がある。旅先で見掛けても驚かないことに
しよう、と加賀美は思う。
 歩調を落とすことなく、歩みはそのままに加賀美は言う。段々と近付く
天道に対して。

「お前はこれからどうするんだ?」
「私にそれを訊く?」

 あと5メートル。
 言ってから愚問だったと気が付く。今までもこれからも、天道が征くのは
天の道に決まっているのだ。二人の妹を守る、その道に。
 あと3メートル。

「また逢えるか?」
「貴方次第ね」

 あと1メートル。
 加賀美は右手を伸ばし、そして天道も右手を伸ばす。
 擦れ違いざまにハイタッチの快音が響いた。
 ――そして、今度は距離が離れていくだけ。

「じゃあ……またな、天道」
「ええ、天の道の何処かで」

 振り返ることなく、両者は歩いていく。
 いつかその道が交差することを、お互いに願いながら。





「着いたかー……」

 最下等の船室での船旅はなかなかに厄介なものではあったが、楽しくもあった。
居合わせたどこぞの親父と酒盛りをするハメに陥ったり、子供がゼクターたちを
不思議そうに見つめたりといろいろなイベントが通り過ぎた。どれもこれも、
土産話になることは間違いない。道中全てがこうであればいいと思う。

「さて……しかしどうしたもんかな」

 肩に乗っている、ふたつのゼクターへと問うような心地で呟く。
 船から下りれば、360度全てが道だった。どう歩いたところで良い旅に
なるような気はしたが、そうするとかえってどこへ向かうべきか迷う。
 ふと空を見上げる。
 太陽は南中の位置で、ひとりの旅人を照らしていた。

「……ま、そうだな、とりあえずは」

 いつか友人がやっていたように、右手を空へと掲げる。人差し指を伸ばし、
太陽を示しながら。

「どこでもいい。一番遠くに向かって歩いてみるか」


~Fin~






後書き


 さて、そんなわけで超駆け足の妄想カブト、半ばやっつけのようになってしまって
楽しみにしていただいていた方には本当に申し訳ありませんでした。
 とにかく、刀子……女性版剣のシナリオを書こうと思ったら、私的には
こういったエンディングしか思いつきません。彼女は最後までと言うか、
死んでまでも加賀美を振り回しているんじゃないかと思ったのです。
 ……でも、今にして思うと最後はもうちょっと何とか出来たんじゃないかと
思わないでもないです(苦笑)まんまオーフェンだもんなー……。

 ともあれ。
 ご感想を頂いたK-14さんをはじめ、呼んでくれた方々には至上の感謝を。
 本当にありがとうございました。


 あー、それと宣伝になってしまいますが、3月あたりから神無月裕也さんが
配信されているメールマガジン『ゆ~やんCHAN! ネル』誌上にて、
『仮面ライダーArc』という企画をやらせていただることになりました。
 まあまだ細かい部分は未定なので本当に3月から連載させていただけるかは
はっきりしませんが、どうかそちらも宜しくお願いします。
 それでは。


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コメント
予想外のダメージが
まさかそこまで悔しがられるとは……w
まぁそもそも、後半のゴスロリやさぐるまの姉貴が鋼屋先生の言ではゴスロリなので「なら当然姉貴はノーブラだよなぁ」と思いまして。それなら天道はサラシかな、と連想したのですが。

何でナチュラルに胸のコト連想してんでしょうかワタシ。脳みそ病んでるのか、それとも男のロマンなのか。
【2007/02/23 20:41】 NAME[K-14] WEBLINK[] EDIT[]
……その手があったか!(サラシ)
刀子エンドと言いつつも他を書く気力はないわけですがっ(ぇ

天道姉さんはもうちょい書きたかった気もしますが。
つーか、サラシ……その手があったか……!
もっと早く気が付くべきだったッッ!!(悔しがり過ぎです)

矢車さんは物語を収めるためにはこうするしかなかった
んじゃないかと手前味噌ながら思います。
まあ本編でこれをやると今度は黒天道の立場がナッシングなのが
問題と言えば問題ですが。

電王は良いですねかなり。カブトと言うか、仮面ライダーの
軸からは結構外れてるんですが、それすらも些細と
思えるほどに丁寧に作ってくれてると思います。
まあ逆にカブトのように尻切れになりかねない要素も
ばらまいてくれてるワケなんですが。主に予算とか。
【2007/02/21 16:56】 NAME[管理人 天話] WEBLINK[] EDIT[]
きゃー、名指しー!?
きゃー、名指しー!?(二回目)
いえ、別にそれはどうでも良いのですけどもw

うん、コレは程よく妄想を満足させてくれる刀子エンドですねぇ。土産話→長生きのやり取りはさわやかで良いです。
天道の姉さんは惚れるっ……! いい女って言葉がピッタリだなぁ。ふみこさんであり、比古清十郎なポジションだなぁ。本家の天道の部屋着がじんべぇだったので、此方の姉さん天道はさらしを巻いてると見ますがどうか(ドウデモイイ

あぁ、やさぐるまの姐さんの最後は納得。やっぱり最終決戦に乗り込んで来ないのは納得いかないデスヨねぇ、カッシス二戦目とか考えると。……淡い希望を言えば加賀美も旅に出た事だし、白夜を観る旅に出て欲しかった気も……。でもやっぱりこの結末になりそうだなぁ。

いやしかし良いカブトをありがとうございました。コレでカブトの最後にようやくスッキリ出来ましたw 電王は今の所好調なので最後まで……いえ『最後』をしっかりして欲しいかな、とかw
【2007/02/19 21:43】 NAME[K-14] WEBLINK[] EDIT[]


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