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徒然とつらつらと、無為かつ怠惰な生活を書き綴ります。
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ハヤテのごとく!

 13巻。
 和服しか着てないキャラがいつもと違う服というのは意外と来るもので、
何つーかやたらと破壊力あったな伊澄のメイド服。
 いや、マリアさんのハブられっぷりの方がインパクト強いんだが。


神曲奏界ポリフォニカ ペイシェント・ブラック

 くあー、マティアの行動が何でこの期に及んで子供っぽくなるかなぁ!?

 素晴らし過ぎるぞ。主にあの挿絵全般で。

 そして次回以降が果てしなく気になるヒキ。
 その、何だ。髪長くなったマティアを絵で見たいんですが。


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 BS-iでやっとこさ放送開始。
 また神懸り的な映像能力だな京都アニメーションよ。

 やはりkeyのBGMは見事。
 古河夫妻の無茶苦茶っぷりも見事。
 ……主人公のボヤきとツッコミも京アニのお家芸ですかコレ。

 そしてだんご大家族。


再度SS

 またも郁乃SS。今度は二時間で出来た産物なんですが。
 まあ、おそらく受験勉強の片手間に書けるのはこれで最後かなぁと
思う次第。つーか甘過ぎて書いててハズかったです
 とりあえず、どぞ。



 



「……へぇ……」

 口から出るのは純粋に感嘆の声。手元の用紙に記された数値は
ことごとく平均を上回る結果で、それは即ちこの結果を叩き出した
男がそれなりの努力を経験したことを意味する。
 その『用紙』──全国統一模試のテスト結果をひらひらと泳がせ、
郁乃はベッドに座ったまま上半身だけで背後に振り返った。

「やるじゃん」
「……まあな」

 ベッドに俯せで倒れ込んだままの姿勢で、彼はくぐもった声を
こちらに寄越す。
 改めて郁乃は模試の結果を見直した。氏名・向坂雄二、学年・3、

「けど、何で急にこんなに頑張ってるの?」

 合計点数、平均点、偏差値、

「いや、まあお前……一応俺、受験生だしなぁ」

 校内順位、都道府県別順位、

「雄二にそんな模範的な感覚がないことくらい知ってるわよ──と」

 志望校合格判定──

「……ちょっと、雄二?」
「あん?」

 ようやく身を起こして、雄二がこちらに視線を送ってくる。今も
疲れが見え隠れするその瞳に視線を合わせて、郁乃はゆっくりと
言葉を選んだ。ややあって、

「えーと……正気?」
「もちっと言葉選べ。そりゃまあ、担任にも似たようなことは
 言われたけどな」

 第一志望校。その欄に記されていたのは、この街からそう遠くない
国立の文系だった。レベルとしては中の上と言ったところで、三年の
春頃まで追試課題とデッドヒートを繰り広げていた雄二には相当荷が
重い選択なはずだが。

「いやホントしんどいよなぁ。我ながら無茶だとは思ったんだけどよ」
「B判定ならどうとでもなるでしょ。……でも、何で?」

 最近疲れているように見えたのはこれが原因であったらしい。しかし
努力を極力厭うこの男が今になって何を必死になっているのか。
 雄二はぽりぽりと頬を掻きながら、

「何でもなにもお前、さっきから言ってるだろ。俺は真面目な受験生様
 だぜ」
「無視して言うけどこの大学ってお姉ちゃんたちの第一志望でもある
 のよね。知ってた?」
「……知ってる」
「……腐れ縁もここまで続けば愛着湧くの? やっぱり」

 まあ、な、と雄二は苦笑。
 お姉ちゃん『たち』というのは間違いでも何でもなく、郁乃の義兄未遂

もその大学を共に第一志望にしているからなのだが。以前ほどそれが
癪に障らなくなったのは、自分が大人になったということなのか、
それともただ単に慣れただけなのか。
 とまれ、雄二と姉は三年来の付き合いで、まして義兄未遂に至っては
十数年の連れ合いになるのだそうだ。腐れ縁もそこまで続けば
離れがたくもなろうというもので、

「……あれ?」

 郁乃は色々と思い至って首を傾げた。そうして知り合い連中が
一ヵ所に集まるのなら。
 自分が受験の時に選ぶのは、どこの大学になるのか。

「……あー……」

 こめかみに指を当てて、とりあえず郁乃は嘆息した。何となく
一度立ち上がり、ベッド縁に腰掛けていた雄二の膝の上に座り直すと、
自然と後ろから抱き締められるようなかたちになる。

「……呆れた。そんなんで進路の幅を狭めてどうすんの」
「何言ってんだ。どうせお前のことだからいいんちょと同じトコに
 行くだろうと思ってこうしたんだぞ」

 う、と郁乃は言葉に詰まる。とりたてて将来のビジョンというのも
思い付かない自分が、来年の今頃にはどういった物差しで志望校を
選ぶのかが図星のような気がしたからである。その場合はもちろん
『雄二がいるから』ということも加味されることになるだろうが、
どのみち自分は姉離れがしばらく出来そうにない。
 考えてみれば今の二人の体勢も示唆的だ。長らく人の温もりからは
少し距離があったとは言え、こういった直接的なスキンシップを
郁乃が好むのは少なからずファザコンのケがあるからなのではないかと
前に義姉未遂──無論、環だ──に言われたことがある。その時は
苦笑しながら否定したのだが。
 いかん、図星突かれてる気がするぞ。初めて気付いたどうしよう。

(……まあ、いいか)

 思考焦燥不安煩悶その他諸々と共に身体を投げ出し、果てしなく
安心感のあるその背もたれに体重を預ける。
 少し、熱い。眠いのかもしれない。

「大体さぁ……」

 雄二の腕の中で彼の緩やかな心音に酔いながら、ぽつりと呟く。

「大学に行って何したいの、とか訊かれても困るわよねぇ……」
「まあ、『とりあえず大学』ってのが大方の考えだしなぁ」

 そんなポリシーのないことでどうする、と大人は言うが、未来など
そうそう自分で描き出せるような物ではないし、あるいはこんなものは
案外大した選択ではないのかもしれない。少なくとも郁乃にとっての
未来というのは、せいぜいが新譜のCDの発売を楽しみに待つ
程度のことでしかないのだし。

「まあ……この先、何とでもなるだろ」
「またそんなテキトーなこと言って……」
「いや実際そうとしか考えられねぇんだからしょうがねぇだろ。
 大丈夫だ、お前に関わることなら俺は自分でもびっくりする
 ぐらいの力が出るみたいだから、な」

 と、こちらの髪を撫でながら、雄二。栗色の髪に彼の指が通る
感触に目を細めながら、郁乃はぼんやりと言う。

「何とも無根拠な話よね」
「ああ、だからお前も無根拠に安心しとけ」
「……訂正。呆れるくらい身勝手な話だわ」
「……じゃあ、こいつが唯一の根拠だ」

 何が、と振り向いた郁乃の唇が、唐突に塞がれた。

「っ! ふ……」

 そのまま数秒。
 やがて雄二の唇が郁乃のそれから離れ、気怠げな笑顔が郁乃の
視界に広がった。髪をくしゃくしゃにするような撫で方は
やめてほしいと何度言ったかは忘れたが、実際現在進行形で効果は
出ていない。そのことに落胆する間もなく、唐突なキスに対する
反応が今更になって出始める。

「う、わ……」
「毎度毎度トマトみてぇに真っ赤になってくれるあたりが男冥利に
 尽きあ痛ててて肋骨狙うのはやめろ郁乃」
「う・る・さ・い」

 それこそトマトのように真っ赤な顔で──と、自分でも分かって
いることなのだが──雄二の脇腹を肘で小突く。この赤面症も何とか
したいと思っている要素のひとつだが、未だに改善される様子はない。
 はぁ、と郁乃はひとつ溜め息。身体を一度持ち上げて座り直した。
今度は正面、雄二と向き合う体勢に。

「ね」
「うん?」

 外は良い天気だった。休みの日の怠惰な昼過ぎ、底が抜けたかの
ような秋晴れが一面に広がっている。
 幸せになるには絶好の陽気だ、と郁乃は思う。

「……急だったから、その、ちょっと足んなかった、かな」

 疑問の色が浮かんだ雄二の目を、相当な近距離から見上げて郁乃は
呟く。

「だから、その……もっかい、して?」

 返答が行動で示される。
 ある秋の昼下がり、世界はこの上なく平和だった。


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