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徒然とつらつらと、無為かつ怠惰な生活を書き綴ります。
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 爆風と瓦礫が彩る戦場に、白銀の光を振りまく少女が一人。
 そしてその肩に、小さな精霊。

「邪魔や! どき! 手加減なんて出来ひんでっ!」

 声と共に放たれる広域攻撃魔法は、新たに少女の目の前に現れた数十の幻獣を
根こそぎ消滅させた。先程から一発で倒せる雑魚ばかりが出てきているが、
どうも足止めをされているらしい。

(……いや……足止め?)
<マイスターはやて!>

 不意に。
 肩口に手の平サイズで具現化しているリインフォースが声をあげた。
そのまま周囲を見渡して、悔しそうに叫ぶ。

<……完全に囲まれてしまっています!>
「なんっ――!」

 驚きに目を見張って周囲を振り仰ぐと、確かに機神・幻獣の群がはやてを
取り囲んでいる。その数は200ではきくまい。いくらはやてが広域魔法の
使い手でも、この数をまとめて相手にするのは――

「……しゃーないっ! ちょ厳しいけど、『アレ』……やろか!
 リインフォース、詠唱!」
<ヤー(了解)!>

 その会話の終了を待っていたというわけではあるまいが。
 今や視界全域を覆うまでの群が、一斉にはやてを狙い特攻してきた。瞬く間に
どす黒い影が集束する。

<速さを与えよ、迅雷(はや)さを与えよ、疾風(はや)さを与えよ――>
「なのはちゃん、フェイトちゃん! ……魔法借りるでッ!」

 蒐集行使。
 夜天の書が蒐集した魔導師のリンカーコア。そこから読みとった魔法は、
そのまま夜天の王たるはやてにも扱うことが出来る。
 故に。

「ディバイン……バスタァァァッ!!」
<――ブリッツラッシュ!>

 桜色の魔力砲が貫いた穴を、金色の魔力を伴ったはやてが翔け抜ける。
 ほぼ一点へと集束していた敵はその動きに付いていけず、そのまま一塊りとなって
無防備な姿をさらしていた。
 絶好のチャンスだった。

「リインフォース!」<逃がしませんっ……鋼の、軛っ!>

 更に盾の守護獣の魔法を行使。伸びた拘束条は捕獲でも攻撃でもなく、ただ
『阻害』するために一文字を描く。レールの如くに伸びた軛は、はやてと敵との
最短距離だけを残して狭い通路を埋めている。

「もろたっ! 最後ッ!」<闇に染まれ!>

 はやては再加速。シュベルトクロイツを左手に持ち替え、空いた右手に
漆黒の魔力を集中させて敵へと突貫する。距離、三百、二百、百、五十――

(広域魔法も扱い方ひとつや……!)
「デアボリックゥゥゥ――!」

 零。
 高らかな叫びが魔力を炸裂させる。はやては魔力を込めた右手を、敵の群へと
突き出した。

「<エミッション!!>」

 はやて、リインフォース、二人の声が同じ言葉を紡ぐ。
 瞬きの間すら空けずに広がった魔力は、静寂と破壊を伴って深く浸透した。
爆発もなく、ただ黒い魔力球が消滅する。




 


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