徒然とつらつらと、無為かつ怠惰な生活を書き綴ります。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 爆風と瓦礫が彩る戦場に、白銀の光を振りまく少女が一人。 そしてその肩に、小さな精霊。 「邪魔や! どき! 手加減なんて出来ひんでっ!」 声と共に放たれる広域攻撃魔法は、新たに少女の目の前に現れた数十の幻獣を 根こそぎ消滅させた。先程から一発で倒せる雑魚ばかりが出てきているが、 どうも足止めをされているらしい。 (……いや……足止め?) <マイスターはやて!> 不意に。 肩口に手の平サイズで具現化しているリインフォースが声をあげた。 そのまま周囲を見渡して、悔しそうに叫ぶ。 <……完全に囲まれてしまっています!> 「なんっ――!」 驚きに目を見張って周囲を振り仰ぐと、確かに機神・幻獣の群がはやてを 取り囲んでいる。その数は200ではきくまい。いくらはやてが広域魔法の 使い手でも、この数をまとめて相手にするのは―― 「……しゃーないっ! ちょ厳しいけど、『アレ』……やろか! リインフォース、詠唱!」 <ヤー(了解)!> その会話の終了を待っていたというわけではあるまいが。 今や視界全域を覆うまでの群が、一斉にはやてを狙い特攻してきた。瞬く間に どす黒い影が集束する。 <速さを与えよ、迅雷(はや)さを与えよ、疾風(はや)さを与えよ――> 「なのはちゃん、フェイトちゃん! ……魔法借りるでッ!」 蒐集行使。 夜天の書が蒐集した魔導師のリンカーコア。そこから読みとった魔法は、 そのまま夜天の王たるはやてにも扱うことが出来る。 故に。 「ディバイン……バスタァァァッ!!」 <――ブリッツラッシュ!> 桜色の魔力砲が貫いた穴を、金色の魔力を伴ったはやてが翔け抜ける。 ほぼ一点へと集束していた敵はその動きに付いていけず、そのまま一塊りとなって 無防備な姿をさらしていた。 絶好のチャンスだった。 「リインフォース!」<逃がしませんっ……鋼の、軛っ!> 更に盾の守護獣の魔法を行使。伸びた拘束条は捕獲でも攻撃でもなく、ただ 『阻害』するために一文字を描く。レールの如くに伸びた軛は、はやてと敵との 最短距離だけを残して狭い通路を埋めている。 「もろたっ! 最後ッ!」<闇に染まれ!> はやては再加速。シュベルトクロイツを左手に持ち替え、空いた右手に 漆黒の魔力を集中させて敵へと突貫する。距離、三百、二百、百、五十―― (広域魔法も扱い方ひとつや……!) 「デアボリックゥゥゥ――!」 零。 高らかな叫びが魔力を炸裂させる。はやては魔力を込めた右手を、敵の群へと 突き出した。 「<エミッション!!>」 はやて、リインフォース、二人の声が同じ言葉を紡ぐ。 瞬きの間すら空けずに広がった魔力は、静寂と破壊を伴って深く浸透した。 爆発もなく、ただ黒い魔力球が消滅する。 PR |
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