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徒然とつらつらと、無為かつ怠惰な生活を書き綴ります。
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生徒会の一存

 大丈夫なのかコレ。
 つーか葵さんはよくよく絵師に恵まれてるというか、このレベルの
絵じゃなかったらこの作品売れなかっただろうなー。

 どうせ頭悪いラブコメだろうと思って買ってみたら、内容が
想像を絶する頭の悪さだったという話。
 ていうか誰だよこの企画にOK出したの!

 頭悪いとかそういう次元を突き抜けて不時着どころかどこか他の
異次元に飛んでしまったとかそういうレベル。
 面白いと感じるかどうか人によって意見が分かれそうだけど、
個人的には600円弱をドブに捨てたの気にならないくらい楽しめたんだが。


仮面ライダーキバ

 新フォーム登場。あ、この話数からいくとクウガの時とかと同じ
道を辿りそうだ。
 剣装備でのネタが出尽くしたからってあの必殺技はどうなのよ。

 あー、それにしても井上脚本だ。
 カブトの時よりも変態が増えてて着地点が分からないけど。


バレンタイン話

 そして四日も過ぎてから当然のように投下される郁雄SS。
 当日は何やってたかと言えばここのバレンタイン漫画読んで
にやにやしてましたが(気色悪っ

 いや、いまいちネタが出なくてこんな時期になっちゃったんですが。
 そんなわけで、どぞ。
 






 現在の彼の表情は宜しくなく、色で言うならば透明度の高い深海のような色であり、
それより幾許か具体的に喩えるならば明らかな黒を白と言い張らねばならなくなった
弁護士のような表情であり、つまり一言で言い表すならば『困り果てている』の一語に
尽きるわけだが──

「……どうしたもんかね、これは」

 途方に暮れたようにそう呟く雄二を、郁乃は湿度の高い半眼で見据えていた。
そんな彼女の様子を知ってか知らずか、雄二は果ての見えない苦悩を続ける。
 彼の目の前、自室の学習机の上に置かれているのは小綺麗なラッピングが為された
直方体。洒落た包装紙と淡いパステルカラーのリボンで着飾った四角い貴婦人がそこにいる。
 バレンタインデー。
 今日という日に受け取るにはあまりに示唆的であるその贈り物はしっかりと貰い手の
目の前に鎮座して、送り主の意志を精一杯に彼へと主張していた。可愛らしくも必死、
思慕希望愛情その他諸々を背負ったプレゼントがそこにある。
 ただ、問題があるとするならば。

「……どうして彼女持ちになってからモテ出すんだよ俺は」

 机の上の箱は──郁乃からのものではなく。
 雄二にとってはいまいち顔さえもはっきりとは覚えていない下級生からの贈り物、
それも何とその数は三つという、あんまりといえばあんまりな展開こそが問題で
あるとは言えた。


「…………」
「……頼むからそんな目で見るなよ。不可抗力だぜ? これ」
「解ってるけど……」

 割といつも眠そうな──とは、彼女の義兄未遂の弁だが──瞳を更に細めて、
不機嫌気味に郁乃は呟く。
 確かに、彼のせいではないのだ。
 バレンタインデーも当日の放課後になって、いつものように雄二と共に帰ろうと
彼の教室に向かったところ、ロッカーを前にして難しい顔で佇む彼を見つけた。
傍らにいた貴明と姉に訊いたことには、──この有様である。
 大抵の学校と同じく、この学校のロッカーは教室の中ではなく廊下を挟んだ
反対側に位置している。それはつまり、別のクラス、別の学年の生徒が何かを
仕込む余地があるということでもあり、当然だが防犯上の観点からそういった
行為を防ぐためにロッカーには錠前が標準装備されているのだが。
 郁乃の「鍵は?」との一言に、雄二はあっさりと答えた。「四月に
無くしてからこっち、掛けた覚えがねぇな」。言うまでもなく鍵は生徒預かりな
だけの『備品』であり、無くすイコール弁償となる。せいぜい三ケタ程度の
金額ではあるが、とりあえずこの件はしっかり環に報告しようと固く
胸に誓った郁乃であった。
 とまれ──

「だいたい、なんで雄二に本命贈るのよ。あたしのこと知っててやってるんでしょうが!」
「いや、だから俺に怒んなって」

 こう言っては何だが、彼らはおそらく学校で二番目に有名なカップルだ
(無論、筆頭に上がるのは疑いようもなく貴明と愛佳であるのだが)。とある
事情により、二、三年生の中には新任の教師の顔を覚えていない者はいても
小牧愛佳の名を知らない者はまずいない。その『事情』の発端でもある
『妹』ということもあって郁乃のことも知らない生徒は少数派であるし、
また雄二に至っては向坂の姓がある。本人はどちらかと言えば煩わしがって
いる家柄であるが、その姓の力は地域に根差すほどのものであり、また
そうでなくても『あの向坂環の弟』という立場もある。少なくとも後者に
関して知らない者はこの学校ではモグリと呼ばれる存在だ──三年次から
編入してきていたお嬢様学校出の才女にして洒落にもならない程の美人は
今や、ちょっとした伝説と化している──。
 何にせよ向坂雄二の彼女が小牧郁乃であり、また小牧郁乃の彼氏が
向坂雄二であることは、彼らとは一切の面識がない生徒でも多くが知る事実だ。
そうでなくても見目の良さだけで十分に目立つ二人であるし、トピックも豊富な
彼ら二人の間柄を、まさか雄二自身に本命チョコを贈るような生徒が
知らないはずはない。渡した三人が三人とも、その事実は知っていたはずである。
 なのに、それでもなお『こんなもの』を渡しにきたということは、と郁乃は思う。
 ……付け入る隙がある、って思われてるってことで……。

「……面白くない、って顔してんな」
「だってそうでしょ」
「いやまあ、俺もチョコ貰ったからって素直に喜ぶ気はねぇけどさ」

 苦笑と共にそう言って、雄二はベッドに座る郁乃の隣りに移動する。二人分の
体重を受け止めたマットのスプリングが耳障りな音を立てて軋み、

「いっそ今度から見せつけるか? またこんなことにならねぇように」
「……ふん。そんな意気地あるの?」
「言ったなこのやろ。思い知らせてや──いや悪ぃ。やっぱ想像したら
 ハズくて無理だ多分」
「このヘタレっ」
「言うな。それともベタベタされてた方がいいのか?」

 ぽん、と雄二の手が頭に乗る。悪童そのものの笑みが郁乃には向けられて、

「もしお前がそう言うんなら、俺も善処するぜ?」
「……んー……」

 想像。
 こうして二人きりの時の雰囲気を、他の誰かの前に晒す。周りの反応はいかなる
ものだろうか。甘えを見せる郁乃は、それを好ましく思ってくれる雄二は、
周囲にとって意外なものなのだろうか、などと――
 郁乃は苦笑して、その想像を打ち切った。
 この時間を、独占しない? 馬鹿げている。
 郁乃の甘えは雄二のモノで、雄二の信頼は郁乃のモノだ。他の誰が入る余地もない。
そんな割り込みは許さないし、公開も不許可だ。
 だから、と郁乃は雄二の額を小突く。

「――答えが解ってる質問しないの」

 そだな、と雄二も苦笑。
 二人だけの距離感で、彼と彼女は語り合う。


◆◇◆◇


 サク、と軽い音をたてて、『それ』は雄二の口の中に納まる。
 緊張感と共にその口元を見ていた郁乃が、恐る恐るというように呟いた。

「どう?」
「……旨い。けど、正直に言うなら」
「言うなら?」
「ちと粉っぽい、か?」
「ああ、やっぱり……」

 郁乃が作ったのは、普通のチョコレートではなくクッキーだった。焼いた
クッキーを溶かしたチョコに半分ひたし、コーティングしたという出来の
チョコクッキー。生地を捏ね、伸ばす段階で手にくっつかないようにと
粉を篩うのだが、それが多すぎたらしい。味見に加わった愛佳の弁によると、
そういうことなのだそうだ。

「でも大分料理は上手くなってるだろ? 前のアレに比べれば」
「いやまあ。あと頼むからアレの話はしないで」
「ああ、悪かった。俺も思い出しちまった……マジ凄かったなあの味」

 嫌な事を思い出したというように雄二はかぶりを振る。そして、

「しかし、どうしたもんだかな」
「あー、このチョコ?」
「一応名前は書いてあるから返しに行くって手もあるしな。どう思う?」

 ん、と呟き、しばし黙考する。
 雄二の言うとおり、返しに行くというのもひとつの手ではある。
いたたまれない空気になること請け合いだが、確かに解決策としては
上策と言えた。が。

「……何かやっぱりそれも忍びない……かな」

 まがりなりにも思いのたけを込められたモノである。邪険にするのは
論外としても、その意思の一欠けらさえ彼に届かないのは何と言うか、
心証が良くない。自分とて彼を好いている者の1人という立場で
あるのだし、それに、
 ……こんなことで雄二がふらふらするわけないしね。
 彼の恋人という立場から成る自信――確信を持って、故に。
 郁乃はあっさりと決断を下した。

「食べちゃおっか」
「お前……実は食いたいだけだろ」
「そんなわけないでしょ」

 彼の半眼から目を逸らしながら、しゃあしゃあと言う。
 ……とりあえず最初の1個は建前として雄二にあげよ。
 雄二が箱の包装紙を破くのを見ながら、郁乃はそんなことを考えていた。



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